断水したらトイレはどうする?|50代一人暮らしが備蓄した簡易トイレの話

備蓄

大地震で断水したら、トイレはどうする?

結論から言うと、凝固剤付きの簡易トイレを最低1週間分(35回分)備蓄しておくべきです。

水が止まればトイレは流せない。でも排泄は我慢できない。この記事では、実際に簡易トイレを購入・備蓄している私が、なぜトイレの備えが食料より先に必要なのか、信頼できる製品の選び方と一人暮らしに必要な数を解説します。

この記事はアフィリエイト広告を含みます。紹介している商品は全て筆者が自費で購入し、実際に使用・保管しているものです。

断水したらトイレはどうなるか

水洗トイレは「給水」「排水」「汚水処理」の3つが全て機能して初めて使えます。どれか1つでも止まれば、水洗トイレはただの便器です。

断水すれば水が流せない。排泄物は便器の中にたまり続ける。1995年の阪神・淡路大震災では、避難所のトイレが排泄物の山になったことが記録されています。あのとき、水道が完全に復旧するまで約3ヶ月かかりました。

過去の大地震でどれほどの断水が起きたか、データで確認します。

災害名 断水戸数 全戸復旧までの期間
阪神・淡路大震災(1995年) 約127万戸 約3ヶ月(91日)
東日本大震災(2011年) 約257万戸 約1ヶ月で97%復旧
被災地域は5ヶ月以上
能登半島地震(2024年) 約11万戸 約5ヶ月
南海トラフ地震(想定) 約3,400万人に影響 最大8週間(95%復旧)

出典:内閣府 阪神・淡路大震災教訓情報資料集厚生労働省 東日本大震災水道施設被害状況調査日本経済新聞 能登半島地震断水内閣府 南海トラフ巨大地震被害想定

ポイント:過去の大震災で断水が起きなかった例はゼロです。南海トラフ地震では約3,400万人が断水の影響を受け、静岡県・三重県・高知県・大分県では断水率90%以上が想定されています。

トイレ問題は「命」に関わる

「トイレの問題は不便なだけでしょ?」と思うかもしれません。違います。命に関わります。

災害時に困ったことの1位は「トイレ」です。ネオマーケティングの調査では、避難所で困ったことの59.4%が「トイレ」と回答しています。食料でも水でもなく、トイレが1位なのです。

出典:ネオマーケティング「災害時の避難所に関する調査」

さらに深刻なデータがあります。日本トイレ研究所の調査によると、発災後6時間以内にトイレに行きたくなった人の割合は以下のとおりです。

災害名 6時間以内にトイレが必要だった割合
阪神・淡路大震災(1995年) 94.3%
東日本大震災(2011年) 66.7%
熊本地震(2016年) 72.9%

出典:日本トイレ研究所「災害時におけるトイレ対策の基本的考え方」

一方、仮設トイレが避難所に届くまでにかかった時間はどうか。東日本大震災のアンケートでは、3日以内に届いた自治体はわずか34%。4日以上かかった自治体が66%、最長で65日かかった事例もあります。

出典:内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」

トイレから災害関連死へのライン

命に関わるメカニズムはこうです。

トイレが不衛生で使いたくない → トイレの回数を減らすために水分・食事を控える → 脱水症状 → 血液が濃くなる → エコノミークラス症候群・心筋梗塞・脳梗塞 → 災害関連死。

阪神・淡路大震災の死者6,432人のうち、災害関連死は912人。その死因の内訳を見ると、心筋梗塞が17%、脳血管疾患が13%で、合わせて約3割を占めています。水分を控えたことによる脱水が、これらの循環器疾患のリスクを高めたと指摘されています。

出典:神戸共同病院「震災関連死の実態とその対策」内閣府 阪神・淡路大震災教訓情報資料集 人的被害

注意:トイレの備えは「快適さ」の問題ではなく「命」の問題です。トイレが使えない → 水分を控える → 脱水 → 災害関連死。この連鎖を断ち切るのが、凝固剤付き簡易トイレです。

団地の在宅避難とトイレ問題

大規模災害が起きたとき、全員が避難所に入れるわけではありません。内閣府の想定でも、避難所に入りきれない人が大量に発生することは前提になっています。特に都市部では、在宅避難が基本です。

団地(公営住宅)は鉄筋コンクリート造が多く、倒壊リスクは比較的低い。建物には残れる可能性が高い。しかし断水すれば水洗トイレは使えなくなります。

団地のトイレはほとんどが洋式便器です。この便器に汚物袋をかぶせて、用を足したあとに凝固剤を振りかけて固める。これが在宅避難での最も現実的なトイレ対策です。

一人暮らしだからこそ、誰も助けてくれない前提で備える必要があります。家族がいれば分担できることも、一人なら全て自分でやるしかありません。

そしてもう一つ、見落とされがちな問題があります。ゴミ収集が止まるということです。

注意:在宅避難中は使用済みの簡易トイレを自宅に保管し続ける必要があります。防臭力の高い製品を選ばないと、数日で部屋中に悪臭が充満します。凝固剤だけでなく、防臭袋の性能まで確認してください。

断水が1週間続けば、1日5回の排泄で35袋の使用済みトイレが部屋の中にたまります。ゴミ収集が再開するまで、その臭いと一緒に生活するのです。だから防臭力は妥協してはいけない。これは実際に想像してみないとわからないリアルな問題です。

私が備蓄している簡易トイレセット

※筆者が実際に購入・備蓄している簡易トイレセット

私は凝固剤付きの簡易トイレを50回分、押入れに備蓄しています。一人暮らしなら約10日分。選んだのは、凝固剤の消臭力と保存期間を最も重視した結果です。

簡易トイレは各社から出ていますが、正直、見た目だけでは違いがわかりにくい。価格帯も似ている。しかし中身を比べると、凝固剤の量・消臭力・付属品に大きな差があります。

私が簡易トイレを選んだ基準:
・凝固剤の消臭・抗菌力が高いこと(室内保管前提)
・保存期間が10年以上あること(買い替え頻度を減らす)
・1回分の凝固剤が10g以上あること(少量だと固まりにくい)
・手袋・防臭袋がセットになっていること(断水で手が洗えない)

信頼できる簡易トイレの選び方

簡易トイレを選ぶとき、価格だけで決めると失敗します。安い製品は凝固剤の量が少なかったり、防臭袋が付いていなかったりする。災害時に「固まらない」「臭い」では意味がありません。

私が調べた結果、以下の基準で選べば間違いないと判断しました。

選ぶ基準 なぜ重要か
凝固剤10g以上/回 少量(6g程度)だと固まりにくく、処理が困難になる
消臭・抗菌力 室内に数日保管する前提。臭いは精神的にもきつい
保存期間10年以上 備蓄は長期戦。買い替え頻度を最小限にしたい
防臭袋付き 凝固剤だけでは臭いを完全には防げない。袋で封じ込める
手袋付き 断水時は手が洗えない。衛生管理の要になる

特に注意してほしいのは凝固剤の量です。1回分が6g程度の製品では「固まりにくい」というレビューが複数あります。10g以上あれば、成人の1回の排泄量(200〜300ml)をしっかり固められます。

私が調べて信頼できると判断した製品

以下は私が実際に調べ、凝固剤の性能・防臭力・保存期間・付属品を基準に選んだ製品です。「ランキング」ではありません。それぞれ特長が違うので、自分の優先順位に合わせて選んでください。

Qbit いつでも簡単トイレ ― 防災グッズ大賞・大賞受賞

ファンデクセル社が防災士の柳原志保氏と共同開発した製品です。2023年の防災グッズ大賞で、携帯トイレ業界初の大賞を受賞しています。

最大の特長は凝固剤の量。1回分が11.5gと業界トップクラスの大容量です。凝固剤が6g程度の他社製品と比べると約2倍。凝固剤は原価の半分以上を占めるため、ここを妥協しなかった姿勢は信頼できます。

  • 15年保存、アルミ製パッケージで湿気を防止
  • 50回分がA4サイズ・厚さ8.5cmとコンパクト。本棚にも置ける
  • 手袋・便器カバー・防臭袋・お試しセット付き
  • 超強力消臭モデルはヤシ殻活性炭を採用し、7日以上の消臭持続を実現
  • 50回分で約3,000〜4,000円前後(1回あたり約60〜80円)

出典:ファンデクセル公式サイト

BOS 非常用トイレセット ― 驚異の防臭袋

クリロン化成社が医療向けに開発した防臭素材を使った製品です。このシリーズの最大の特長は、凝固剤ではなく「袋」にあります。

BOS(ボス)という防臭袋は、袋自体が臭いを通さない特殊素材でできています。つまり凝固剤の消臭力に頼らなくても、袋で物理的に臭いを封じ込める。袋に鼻を近づけてもほとんど臭いを感じないレベルです。

  • 15年保存対応
  • 便器カバーが色違い(停電時でも見分けやすい工夫)
  • 凝固剤は1回10g、500mlの水を吸収する性能
  • 50回分セットで約3,500〜4,500円前後(1回あたり約70〜90円)
  • 防臭力を最重視するならこの製品が最も信頼できる

出典:BOS公式サイト 非常用トイレ

トイレの女神PREMIUM ― 日本製・防災士監修

防災士が監修し、凝固剤は日本製にこだわった製品です。Amazon仮設・簡易トイレカテゴリで売れ筋ランキング1位を獲得した実績があります。

  • 15年保存、純国産の抗菌凝固剤
  • 吸収性能500ml(業界最高水準)
  • 排便袋+処理袋の二重袋で防臭
  • 50回分・100回分・150回分・200回分と幅広いラインナップ
  • 防災ガイドブック付属
  • 50回分で約3,000〜4,000円前後

出典:Amazon トイレの女神PREMIUM

PYKES PEAK 救急トイレ(SONAERU) ― 2025年防災グッズ大賞受賞

福岡発の防災ブランド「SONAERU」の製品。Fun Standard株式会社(RKB毎日ホールディングスグループ)が展開しています。2025年の東京ギフトショー防災グッズ大賞を受賞しました。

  • 凝固剤120回分セット、15年保存
  • 共通袋144枚・手袋120組付き
  • 高性能凝固剤は抗菌・消臭・吸水機能を備え、500mlを約15秒でジェル状に固める
  • 防災チェックリスト付き
  • 120回分で約4,800円前後(1回あたり約40円とコスパが高い)

出典:Amazon PYKES PEAK 救急トイレ

BOS 防臭袋(単品)― どの製品にも追加できる最強オプション

上で紹介したBOSの防臭袋は、単品でも購入できます。どの簡易トイレを買っても、追加で持っておくと安心です。

「おむつが臭わない袋」シリーズがコスパに優れています。Sサイズ300枚入りなら1枚あたり約9円。簡易トイレの処理袋の上からさらにBOS袋で包めば二重防臭になります。

防臭力に不安がある安価な製品でも、BOS袋を足せば補完できる。まさに「最強の保険」です。

必要数の計算と保管のコツ

内閣府のガイドラインでは、1日のトイレ使用回数の目安を5回としています。この数字をもとに、一人暮らしの必要数を計算します。

備蓄日数 必要回数(1日5回) 備考
最低3日分 15回分 最低ライン。仮設トイレ到着が3日以内だった自治体は34%のみ
推奨7日分 35回分 仮設トイレ到着の平均日数が約2週間であることを考慮
理想14日分 70回分 仮設トイレ到着まで最大65日の実績あり。2週間あれば安心

出典:内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」

50回分セットを1つ買えば約10日分。一人暮らしならまず1セットで十分なスタートラインになります。価格も3,000〜5,000円程度。食料や水の備蓄に比べれば、はるかに手軽です。

保管のコツ

  • 直射日光・高温多湿を避ける:凝固剤の劣化を防ぐ基本
  • 押入れ・クローゼットの上段がベスト:湿気が少なく、取り出しやすい
  • 凝固剤は個包装のものが湿気に強い:まとめ包装だと開封後の劣化が早い
  • 使用期限を箱の外に書いておく:15年保存でも忘れがち。見えるところにメモ
注意:凝固剤を含む排泄物は水洗トイレに流してはいけません。トイレが詰まる原因になります。使用後は汚物袋ごと「燃えるゴミ」として処分してください。災害時のゴミ処理方法は各自治体の指示に従ってください。

まとめ ― トイレの備えは命の備え

【結論】食料・水の次に備えるべきは、トイレだ。

断水は必ず起きる:過去の大震災で例外はない
トイレ問題は命に直結:水分を控える→脱水→災害関連死のリスク
在宅避難の必需品:凝固剤付き簡易トイレを最低1週間分(35回分)

選ぶなら、凝固剤10g以上・保存10年以上・防臭袋付き。この3つを満たすものを選べば間違いない。

50回分のセットを1つ買う。押入れに置く。それだけで、断水時のトイレ問題は大幅に軽減されます。

「備えなくてもなんとかなる」と思うかもしれません。でも過去の震災で、トイレの問題に苦しまなかった被災者はいません。食料は3日我慢できても、トイレは6時間で限界が来ます。

まだ備えていないなら、今日、1セットだけ買ってください。

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